13衛生基準と関連法規

公衆衛生と関連法規

公衆衛生とは、疾病を予防し、健康を維持するのに十分な環境を整えることを意味します。日本国憲法第25条に定められています。同条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、国が社会福祉・社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと定めています。ネイリストにはその向上に努める義務があります。

衛生行政のしくみは次のとおりです。

区分機関
中央の行政機関厚生労働省
地方の一般的な衛生行政都道府県及び市町村
地方の第一線機関保健所及び市町村保健センター

ネイルサロンで健康被害が発生し相談が寄せられた場合は、地域保健法に基づき管轄の保健所が指導・助言を行います。

ネイルサービスは、医師法、薬機法、美容師法、理容師法等に抵触する行為であってはなりません。主な法律は次のとおりです。道路交通法は含まれません(ひっかけに注意)。

法律ネイルサービスとの関わり
薬機法化粧品の定義・表示・広告を規定。
地域保健法健康被害発生時の保健所による指導・助言の根拠。
消防法ネイル化粧品や用材、消毒剤等の保管数量を規定。
医師法医療行為はネイリストが行えない。
製造物責任法(PL法)製品の欠陥による被害の責任を規定。

社会規範に基づき法令を遵守することをコンプライアンスといいます。

また、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)は2009年に「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を制定しています。法律ではなく業界の自主基準である点がポイントです。

ネイルサービスは、お客様の爪・手指に直接接する施術であるため、衛生面での配慮が欠かせません。具体的には次のことが求められます。

手指の消毒はもちろん、使用する器具・用具等の衛生的な管理に加え、施設の適切な環境の維持、管理にも努めなければなりません。
・ネイリストは公衆衛生の向上に努める義務があります。公衆衛生とは、疾病を予防し、健康を維持するのに十分な環境のことです。

NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が2009年12月25日に「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を定めた背景には、ネイルサロンにおいて健康被害が発生したという経緯があります。

今後、ネイルサロンに関して国民生活センター等に相談が寄せられた際には、地域保健法(昭和22年法律第101号)に基づき、管轄の保健所が指導または助言を行うことになります。法令番号まで問われることは多くありませんが、「保健所が指導する根拠は地域保健法」という対応は押さえておきましょう。

衛生行政は、厚生労働省を最高機関とする基本的なシステムになっています。中央の行政機関である厚生労働省があり、地方の一般的な衛生行政を都道府県および市町村が行い、さらに地方の第一線機関として保健所および市町村保健センターがある、という階層構造です。

衛生行政のしくみの図。厚生労働省(中央)→都道府県及び市町村(地方の一般的な衛生行政)→保健所及び市町村保健センター(第一線機関)
衛生行政のしくみ

衛生行政は厚生労働省を最高機関とする階層構造です。図は上から順に、国 → 地方 → 現場となっています。

厚生労働省 → 都道府県 → 市町村 → 保健所および市町村保健センター。ネイルサロンにいちばん近いのが保健所で、健康被害の相談が寄せられた際に地域保健法にもとづいて指導または助言を行うのはここです。

問われ方は2通りあります。「中央の行政機関は?」→厚生労働省「第一線機関は?」→保健所および市町村保健センター。「指導の根拠となる法律は?」と聞かれたら地域保健法です。

関連法規の4つの分類

ネイルサービスに関わる法規は、目的によって4つに分けて整理されます。「何を守るための法律か」で覚えると混同しません。

分類目的
保健衛生法規特定の疫病の予防・治療などを含んだ、国民の健康の維持・増進を目的に定められた法規。
薬事法規医薬品・医療器具・化粧品などの製造・販売などを規制する法規。
医事法規病院・診療所などの医療機関における、適正な医療の確保を目的に定められた法規。
消防法火災を予防・警戒・鎮圧して、火災から国民の生命・身体・財産を保護し、災害による被害を軽減することを目的に定められた法。

まぎらわしいのが薬事法規と医事法規です。薬事=モノ(医薬品・医療器具・化粧品)の製造販売医事=場(医療機関)での医療の確保と区別しましょう。ネイルで扱う化粧品は薬事法規の側です。

消防法がネイルサロンに関わるのは、ポリッシュリムーバーやモノマーなど揮発性・引火性の用材を扱うためです。保管数量の規定や火気厳禁・密栓は、この法律にもとづきます。

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プロ意識・サロン環境・法規 小テスト(2級)

この章の内容を含む小テストです。毎回ランダムに出題されます。

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