教科書|分野 10/12
10間違いがちなヘアケア
シリコーンは毛穴に詰まるか
シャンプーやコンディショナーに入っているシリコーンは、通常の使い方では、頭皮の毛穴に詰まることはありません。ここでは、お風呂で使って洗い流すタイプの製品について学びます。
毛穴にたまる、と考えなくてよい理由
配合されているシリコーンオイルは、すすいだあとに残る量がわずかで、頭皮の皮脂とはなじみにくい性質があります。「髪をコーティングする成分だから、そのまま毛穴もふさいでしまう」とは考えなくてよいのです。
髪の表面で、すべりをよくする
茶色:髪
青い薄い層:シリコーン
コーティングは、髪のすべりや指通りを整えるための働きです。すすいだあとに成分がすべてなくなる、という意味でもありません。製品に書かれた量・使い方に従い、十分にすすぎましょう。
名前は「シリコーン」
このヘアケア成分の表記は、シリコンではなく「シリコーン」です。半導体などに使われるシリコンとは別のものです。
配合されているかどうかだけで製品の良し悪しを決めず、髪や頭皮の状態、好みの洗い上がりに合うものを選びましょう。
シャンプーは2度洗いすべきか
ふだんのシャンプーは、通常は1度洗いで十分です。泡が頭皮全体に行き渡り、汚れを落とせていれば、毎回2度洗いする必要はありません。
洗いすぎると、必要な油分まで落として頭皮の乾燥につながることがあります。回数を決めて繰り返すより、汚れの落ち具合と、頭皮の状態を確認しましょう。
2度洗いが必要なこともある
例えば、次のような場合は、1度では十分に洗えないことがあります。
- 落としにくいスタイリング剤を使い、1度洗っても残っているとき。
- 皮脂が多く、頭皮のべたつきや洗い残しが気になるとき。
その場合は、いったんよくすすぎ、必要に応じてもう一度やさしく洗います。使用量や洗い方は製品の説明を確認し、どちらの場合も十分にすすぎましょう。
泡立ちが悪いときは、予洗いを見直す
予洗いは、シャンプーをつける前に、お湯で頭皮と髪を洗い流すことです。泡立ちが悪いと感じたら、頭皮や髪全体を十分にぬらせているか確認しましょう。
- 頭皮から髪全体へ、十分にお湯を行き渡らせる
指で髪をかき分けながら、根元や内側にもお湯を通します。 - 十分に行き渡ったと思ってから、さらに10秒ほど
10秒は、予洗いを十分に行った後に、少し長めに流すための目安です。髪の長さや量、汚れの状態に合わせましょう。
髪についた花粉・ちり・ほこりなど、予洗いで落とせる汚れを先に流すと、シャンプーも泡立ちやすくなります。水やお湯になじみにくい皮脂や、落ちにくいスタイリング剤などは、シャンプーで洗い流します。
かゆみが残るときは、洗い方と頭皮の状態も確認
かゆみには、洗い残し・すすぎ残しのほか、乾燥や刺激などが関係する場合もあります。かゆみだけで汚れが残っていると決めず、頭皮に泡が行き渡っているか、十分にすすげているかも見直しましょう。
洗う回数を増やし続けたり、爪を立ててこすったりしないことも大切です。かゆみや赤みが続くときは、皮膚科で相談しましょう。
寝ぐせの直し方
毛先がはねていると、そこだけをぬらしたくなりますが、寝ぐせを直したい部分の根元からぬらすのがポイントです。髪の表面だけでなく、内側にも水分を行き渡らせましょう。
ぬらしてから、乾かしながら形を整える
- 直したい部分を、根元からぬらす
表面を軽く湿らせるだけで終わらず、髪の内側にも水分をなじませます。 - ドライヤーで、8割程度まで乾かす
8割は、次のスタイリングを始めるタイミングの目安です。 - ブラシなどで形を整えながら、仕上げる
髪を整えながらドライヤーの風を当てることを、ブロードライといいます。
8割で乾かすのを終える、という意味ではありません。
そこから形を整え、ぬれたままの部分を残さず乾かしましょう。
白髪を抜くと増えるか
白髪を抜いたことが原因で、白髪が増えるわけではありません。ただし、増えないからといって、抜いて対処するのは避けましょう。
抜き続けると、頭皮や毛根の負担になる
髪を無理に抜くと、頭皮や毛根を傷めるおそれがあります。繰り返し抜くことが習慣になると、髪が生えにくくなる可能性もあります。
気になるときは、抜かずに整える
- 切って整える
- 気になる白髪をカットします。見えにくい場所や、自分で扱いにくいときは、美容室で相談する方法もあります。
- カラーリングで目立ちにくくする
- 白髪が気になる範囲などに合わせて選ぶ方法です。使用するときは、その製品に書かれた使い方と注意事項を確認しましょう。
髪を引っ張るリフトアップ
耳の上の髪を引き上げてまとめると、目尻やフェイスラインが引き上がったように見えることがあります。ただし、これはヘアアレンジによる一時的な見え方の変化です。
持続するリフトアップ効果を期待して、毎日強く引っ張り続けることは避けましょう。
まとめ方の違いに注目
強い引っ張りが続くと、抜け毛につながることがある
ポニーテール、編み込み、シニヨン(お団子状にまとめる髪型)などで、髪を強く引っ張る状態を習慣的に続けると、髪が抜けることがあります。こうした引っ張る力が原因の脱毛を、牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)といいます。
これらの髪型をすべて避ける、という意味ではありません。きつく結ばないことと、強い引っ張りを長期間繰り返さないことが大切です。
まとめ髪で気をつけたいこと
- 髪を強く引っ張らず、締めつけをゆるめる。
- きつい髪型を続けず、髪型を変えたり、髪をほどく時間をつくったりする。
- 痛みやヒリヒリ感があれば、そのまま我慢せずに髪型をゆるめる。
生え際の抜け毛や薄さが気になるときは、自己判断で原因を決めつけず、皮膚科で相談しましょう。
妊娠中のカラーリングやパーマ
この項目では、妊娠中のカラーリングやパーマは避けることと、その理由を覚えましょう。大切なのは、頭皮や皮膚の状態の変化に配慮することです。
頭皮や皮膚が、いつもより敏感になることがある
妊娠中は、ホルモンバランスの変化などにより、頭皮や皮膚が敏感になることがあります。カラーリング剤やパーマ剤によるかぶれなどの皮膚トラブルに注意が必要です。
妊娠中であることを伝え、注意事項を確認する
- 美容室では、妊娠中であることや、頭皮のかゆみ・赤みなどを事前に伝えます。
- 妊娠中は使用しないように書かれた製品は、使わないようにしましょう。
かぶれたあとの治療にも、配慮が必要
妊娠中は、治療に使う薬の選択や使い方が制限される場合があります。かぶれが起きると、治るまでに時間がかかることもあります。
妊娠中に、すべての薬が使えないわけではありません。薬を使うか、続けるか、やめるかは、自己判断せずに医師や薬剤師へ相談しましょう。
アウトバストリートメントと自然乾燥
アウトバストリートメントは、洗い流さずに使う髪のケア製品です。基本は、タオルドライのあと、ドライヤーで乾かす前になじませます。
タオルで余分な水分を取り、まだ湿り気が残っている半乾きの髪に使うのが目安です。自然に乾くまで待つ必要はありません。
髪の中間から毛先になじませる
- タオルで余分な水分を取る
髪をはさんで、そっと水分を吸い取ります。 - 中間から毛先になじませる
製品に書かれた量と使い方を確認してなじませます。 - そのあと、ドライヤーで乾かす
乾かす前のケアには、ドライヤーの熱から髪を守る目的もあります。効果や使い方は製品によって異なるため、表示に従いましょう。
乾いた髪に使うこともある
乾燥やパサつきが気になるときや、ツヤを出したいときは、乾いた髪に使える製品もあります。乾かす前だけ、乾かしたあとだけ、と一律に決めず、使う製品の説明を確認します。
ぬれたまま、長時間放置しない
ぬれた髪は、乾いたときよりもやわらかく、摩擦や引っ張る力で、表面のキューティクルが傷みやすい状態です。
キューティクルが傷むと、髪の内部の水分やタンパク質が失われやすくなり、パサつきやうねりにつながることがあります。自然に乾くのを待って長く放置するより、タオルで水気を取ってからドライヤーで乾かしましょう。
湿った状態を長く続けると、細菌の繁殖や、においの原因になることもあります。頭皮のにおいには皮脂や汗の残りなども関係するので、洗い方・すすぎ方もあわせて確認します。
すばやく乾かすために、熱い風を一点に当て続けるのは避けましょう。ドライヤーの使い方と温度は、次の項目で学びます。
ドライヤーの使い方と温度
ドライヤーでは、髪を乾かすことに加えて、必要以上に乾かしすぎないことも大切です。乾かしすぎた状態をオーバードライ(過乾燥)といいます。
近づけすぎたり、長時間温風を当て続けたりすると、髪のパサつきやツヤの低下につながることがあります。
吹出口と髪の間に、距離をとる
ふだんは、20cm以上が目安
- 20cm以上|ふだん乾かすとき
- 髪から離して乾かす、学習上の理想的な距離です。
- 10cm以上|ブローするときも
- ブラシなどで形を整える仕上げやスタイリングでも、近づけすぎないようにします。
実際には、使うドライヤーの取扱説明書で、距離やモードごとの使い方を確認します。吹出口だけでなく、髪が吸い込まれないように吸込口との間隔にも注意しましょう。
8割程度乾いたら、冷風で仕上げる
- 温風で乾かす
髪から距離をとり、当てる場所を変えながら乾かします。 - 8割程度で、温風から冷風へ
温風を長く当て続けるのを避け、冷風に切り替えて仕上げます。 - 乾かし残しがないか確認する
根元や髪の内側も確認します。8割は切り替えの目安で、そこで乾かすのを終えるという意味ではありません。
温度は、髪の状態とセットで覚える
加熱条件によって、髪への影響は異なります。ここでは、教材で覚える温度の目安を、髪のぬれ具合と、熱を当て続ける条件に分けて整理します。
- ぬれた髪|約60℃
- 熱を加え続けると、髪の内部の水分量が減り始めるとされる目安です。
- 乾いた髪|80℃以上
- 熱を受け続けると、髪のタンパク質が変性し、もろくなるとされる目安です。
ここでの温度は、髪に加わる熱について学習する目安です。ドライヤー本体の設定温度を、60℃や80℃に指定する説明ではありません。髪の状態、機種や風量、距離、当てる時間なども一緒に考えましょう。
「ぬれた髪は約60℃、乾いた髪は80℃以上」
「ふだんは20cm以上、ブローでも10cm以上」
数字だけでなく、髪の状態や使う場面もセットで覚えましょう。
間違いがちなヘアケア 小テスト(3級)
全20問・解説付きの小テストです。この章の内容を3択問題で確認できます。
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