04皮膚科学

皮膚と爪の関係

爪は、皮膚の付属器官の一つで、表皮の角質層が硬く変化したものです。爪・毛・汗腺・皮脂腺はいずれも皮膚から生まれた仲間で、爪は手や足の指先を保護する大切な役割を担っています。ネイリストが皮膚のしくみを知ることは、安全な施術の裏付けになります。

皮膚の3つの働き

皮膚には、大きく次の3つの働きがあります。

保護作用…皮膚の表面は弱酸性の皮脂膜でおおわれ、外からの異物・細菌・ウイルスの侵入を防ぎます(バリア機能)。紫外線などの光線から体を守る働きもあります。
体温調節作用…体内の状態を一定に保つ恒常性(ホメオスタシス)により、暑いときは汗腺から汗を出して体温を下げます。表皮や皮下組織は熱を伝えにくく、体温を保ちます。
吸収作用…皮膚には経皮吸収の働きがあり、とくに油溶性ビタミン(A・D・E)や油性のクリームは吸収されやすい性質があります。

皮膚の3つの働き:保護作用(弱酸性の皮脂膜でバリア機能)、体温調節作用(汗で体温を一定に保つ恒常性)、吸収作用(経皮吸収・油溶性ビタミンADEは吸収されやすい)
皮膚の3つの働き

皮膚の構造

皮膚は体の表面をおおう大切な器官で、総面積は成人で約1.6㎡、重さは体重の約16%、厚さは平均2.0〜2.2mmほどです。

皮膚は外側から順に、表皮真皮皮下組織3層からなります。真皮にはコラーゲン(膠原線維〈こうげんせんい〉)やエラスチン(弾力線維〈だんりょくせんい〉)、ヒアルロン酸があって肌の弾力やうるおいを保ちます。真皮にはこのほか、栄養や酸素を運ぶ血管や、痛み・触覚・温度などを感じ取る知覚神経も通っています。いちばん下の皮下組織は脂肪をたくわえて体を保護・保温します。

皮膚の構造の断面図:外側から表皮・真皮・皮下組織の3層と、汗腺・皮脂腺・毛の位置
皮膚の構造(断面図)

表皮の5層と細胞

表皮はさらに5つの層に分かれます。上から順に覚えましょう(透明層は手のひらと足の裏だけにあります)。

層(上から)特徴
角質層(かくしつそう)いちばん外側。核を失った(脱核した)死んだ細胞で、約4週間のターンオーバーでフケや垢となってはがれる。
透明層(とうめいそう)手のひらと足の裏だけにある層。
顆粒層(かりゅうそう)扁平な細胞からなり、紫外線を反射する。
有棘層(ゆうきょくそう)表皮の中で最も厚い層
基底層(きていそう)表皮の最下層。真皮の毛細血管から栄養を受け、絶えず細胞分裂する。メラニンを作る色素細胞(メラノサイト)がある。

このほか表皮には、皮膚免疫のセンサー役をするランゲルハンス細胞や、メラニンを作る色素細胞(メラノサイト)などがあります。

表皮の5層の断面図。上から角質層・透明層(手のひら足の裏のみ)・顆粒層・有棘層・基底層と、基底層の色素細胞(メラノサイト)
表皮の5層構造(断面図)

ターンオーバーとメラニン

表皮では、いちばん下の基底層で生まれた細胞が上へ押し上げられ、形を変えながら角質層に達し、最後はフケや垢となってはがれ落ちます。この生まれ変わりをターンオーバーといい、健康な肌ではおよそ4週間(約28日)の周期でくり返されます。

紫外線を受けると、基底層の色素細胞(メラノサイト)メラニンという色素を作り、肌を紫外線から守ります。メラニンが過剰に作られたり、ターンオーバーが乱れて排出されずに残ると、シミの原因になります。

皮膚の付属器官

皮膚から生まれた付属器官には、次のものがあります。

汗腺…汗を分泌する器官。
皮脂腺…皮脂を分泌する器官。
毛・爪…主に皮膚(体)を保護する器官。

骨は皮膚の付属器官ではありません(ひっかけに注意)。

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