学ぶ|分野 1/6
01爪の構造と働き
爪(ネイルプレート)とは
一般に「爪」と呼ばれている硬い部分を、ネイルプレート(爪甲)といいます。爪は独立した器官ではなく、皮膚(表皮)が変化してできたものです。表皮の一番外側にある角質層が硬く変化したもので、ケラチンという硬いたんぱく質からできています。この点で、爪・毛・汗腺・皮脂腺は「皮膚の付属器官」と呼ばれる仲間です。骨は皮膚の付属器官ではありません(ひっかけに注意)。
ネイルプレートは3層構造になっています。硬く見えますが、水分と少量の脂肪を含んでおり、健康な成人の爪の水分量はおよそ12〜16%、脂肪は0.15〜0.75%ほどです。水分量は季節や乾燥によって変化し、乾燥すると割れやすくなります。
この3層は上から順に、背爪(はいそう/トッププレート)・中爪(ちゅうそう/ミドルプレート)・腹爪(ふくそう/アンダープレート)と呼ばれます。薄い角質の層が重なり合うことで、爪は薄くても丈夫になっています。
健康な爪が薄いピンク色に見えるのは、ネイルプレート自体に色があるからではありません。ネイルプレートは半透明で、下にあるネイルベッド(爪床)を通る毛細血管の赤みが透けて見えているためです。
爪の主成分であるケラチンは、硫黄を含むアミノ酸が多い硬いケラチン(ハードケラチン)です。毛髪や爪はこの硬いケラチンからできており、皮膚の角質は硫黄が少ない軟らかいケラチン(ソフトケラチン)です。

爪が作られる場所と成長
ネイルプレートは、爪の根元にあるネイルマトリクス(爪母)で作られます。ここには血管と神経が通っており、新しい爪の細胞が次々に生み出され、押し出されるように前へと伸びていきます。爪母が傷つくと、爪の変形やでこぼこの原因になるため、施術ではこの部分を傷つけないことが大切です。
爪が伸びるスピードは、健康な成人でおよそ1日約0.1mmです。この速さは一定ではなく、季節・環境・年齢によって変化します。傾向として、冬よりも夏の方が速く伸び、加齢とともに伸びは遅く、爪は厚くなる傾向があります。
爪の根元に見える白い半月状の部分をルヌーラ(爪半月)といいます。これは作られたばかりの、まだやわらかく水分を多く含んだネイルプレートが透けて白く見えている部分です。
爪まわりの各部の名称
ここは試験で必ず問われる最重要ポイントです。カタカナ名・漢字名の両方で出題されるので、対にして覚えましょう。まずは下の表と図で、15の部位(A〜O)の位置・名称・はたらきをつかみます。
なお、ネイルプレートは爪床にのっているだけで固定されておらず、後爪郭(ネイルフォルド)・左右のサイドウォール・ハイポニキウムの4辺で囲まれるように支えられています。
| カタカナ名 | 漢字名(読み) | はたらき・特徴 |
|---|---|---|
| ネイルマトリクス | 爪母(そうぼ) | 爪甲(爪)を作り出す部分。血管と神経が通う、最も重要な部分。傷つくと爪の変形の原因になる。 |
| ネイルフォルド | 後爪郭(こうそうかく) | 爪の根元を包む皮膚のひだ。爪の根元を固定し、保護する。エポニキウムとの違いに注意。 |
| サイドウォール | 側爪郭(そくそうかく) | 爪の左右をおおう皮膚の部分。 |
| エポニキウム(キューティクル) | 爪上皮(そうじょうひ) | 後爪郭から爪の表面へ伸びる角質。細菌や異物の侵入を防ぐ。 |
| ルースキューティクル | 爪上皮角質(そうじょうひかくしつ) | 爪上皮から生じ、爪の表面に付着した不要な角質。ケアで取り除く対象。 |
| ルヌーラ | 爪半月(そうはんげつ) | ハーフムーンとも呼ぶ。爪の根元に見える半月型で乳白色の部分。後爪郭におおわれていない爪母(新生した爪甲)で、水分が多く白く見える。 |
| ネイルルート | 爪根(そうこん) | 後爪郭におおわれて外に出ていない、爪の付け根部分。 |
| ネイルプレート | 爪甲(そうこう) | 一般に「爪」と呼ぶ硬い部分。ケラチンの3層からなり無色。爪床に密着しているだけで固定はされていない。水分量は約12〜16%。 |
| サイドライン | 側爪甲縁(そくそうこうえん) | 爪甲の左右の側面の際(きわ)。 |
| ネイルベッド | 爪床(そうしょう) | 爪甲がのっている台にあたる部分。毛細血管が水分・栄養を届ける。 |
| イエローライン | 黄線(おうせん) | 爪甲が爪床から離れはじめる境目に見える、うっすら黄色い線。 |
| ハイポニキウム | 爪下皮(そうかひ) | フリーエッジの下側の皮膚。爪甲が爪床から離れるのを防ぎ、爪の下への異物・細菌の侵入を防ぐ。 |
| ルースハイポニキウム | 爪下皮角質(そうかひかくしつ) | フリーエッジの裏側に付着した角質の部分。 |
| フリーエッジ | 爪先(つめさき) | 爪甲が伸びて爪床から離れた部分。水分が少なく白く不透明に見える。ファイリングで整えるのはここ。 |
| ストレスポイント | 負荷点(ふかてん) | イエローラインがサイドラインに接する点。力が集中しやすく割れやすい。 |


爪の役割(働き)
爪は単なる飾りではなく、指先で暮らしていくうえで欠かせない4つの働きを持っています。
①指先を保護する…指の骨(末節骨)は指先のいちばん先までは届いていません。爪がその先の部分をおおうことで、外からの刺激や衝撃から指先を守っています。
②物をつかむ・力を入れる…指の腹に加えた力は爪に伝わり、爪が受け止めます。この力を爪圧(そうあつ)といいます。爪があるからこそ、細かいものをつまんだり、ペンで小さな字を書いたりできます。
③からだを支える・バランスをとる…足の爪は、立つ・歩くときに地面をとらえ、全身のバランスを保つのに役立っています。
④感覚を助ける…爪が指先を支えることで、指先の触覚(細かい感覚)がより鋭敏になります。

健康な爪の条件
健康な爪には、次のような特徴があります。試験では「健康な爪の状態」として問われます。
・薄いピンク色で透明感がある(爪床の血色が透けて見える)。
・表面がなめらかでツヤがあり、縦じわ・凹凸・変色がない。
・適度な水分(約12〜16%)を含み、ほどよい弾力と硬さがある。
・割れ・欠け・二枚爪がない。
反対に、乾燥して水分が不足すると、割れ・欠け・二枚爪が起こりやすくなります。爪の健康は、体調や食生活、生活環境の影響も受けます。
爪の構造と働き 小テスト
毎回ランダムに10問。学んだ内容をすぐ確認。
小テストに挑戦する